明治通りにある四の橋を白金高輪方面に渡り、少し歩いたところに店を構えるフランス料理店。店名のラシェット(L’Assiette)とは「お皿」、ブランシュ(Blanche)とは「白」を意味し、ウェルカムプレートをはじめ「白いお皿」が印象的です。
川井真介シェフは、スイスやフランスのレストランで修行後、三田「コート・ドール」にて7年半勤務しスーシェフを務めたのちに当店を独立開業。
店内は、可動式のテーブルが3〜4つほどのかなりコンパクト。シェフとおそらく料理人であろう方がサービスを担当する2名体制。赤坂「コム・ア・ラ・メゾン」といい料理人2名で運営しているお店は間違いないので期待が高まります。
コースメニューは2種類ほどで皿数によって金額が変更するシンプルなスタイル。メインはアラカルトメニューからチョイスする形です。我々は前菜3皿に魚、肉料理で構成された「Menu Gourmand」をチョイスし、確か追加料金を支払いメインを小鳩のローストにしました。
ドリンクは、グラスシャンパーニュが1,500円、グラスワインは白赤それぞれ2種類ずつあり1,100円と店の割に良心的な価格設定。
まずはグラスシャンパーニュを。シャルドネ種100%によるもので、リンゴやレモンなどのフレッシュな果実に、密っぽさやナッツのようなニュアンスも感じられます。
アミューズはリエット。シンプルですがトーストもしっかりと温められており、美味。
前菜一皿目は、オマール海老とズッキーニ。1万円をきるコース料理でオマール海老が出てくるなんて驚きです。ムッチリプリプリのオマールに爽やかなトマトの酸が加わったソースがベリーグッド。
慌てて、白ワインをボトルで注文します。サントーバンの1級畑ヴィーニュモワンジョン(Vignes Moingeon)。白い花や火打ち石やハチミツのようなアロマ、酸は思ったより少なくややオイリーな口あたり。
先のオマールとの相性はもちろん、結果としてこの後のお魚料理まで見事な合わせでした。我ながらベストチョイス。
お次はタラの白子のムニエル。これまた素晴らしい火入れ。香ばしいく焼き固められた表面とは対照的に中はトロットロ。シェリーヴィネガーのソースも相まってあっという間に食べ進めてしまいます。
フランス産セッップ茸のリゾット。香りと旨味がボリュームが素晴らしく反面こちらはややポーションが控えめなのが惜しく感じました。
マナガツオのナージュ仕立て。フランス語で「泳ぐ」を意味する「ナージュ(Nage)」は、香味野菜、白ワインを加えて煮出しただし汁の中で魚介類を調理し、そのだし汁をソースとして用いた料理です。非常に正統的。
ちょうどボトルワインも飲み終えてしまいそうだったため、メインに合わせてグラスで赤ワインを。ブルゴーニュ サントネイ。瑞々しいチェリーやイチゴの香りに加えてほのかに土っぽさ、樽由来なのか優しいヴァニラ香。
お待ちかね。ランド産小鳩のロースト。素晴らしい見た目。眺めているだけで酒が飲めてしまう。モモ、ハツ、レバーの食べ比べも非常に楽しい。ポーションもメインにふさわしく食べ応え抜群。
デザートにはココナッツのブランマンジェをチョイス。最後は当店のテーマカラーでもある白い食べ物で締め括る、なんかエモくないですか?
以上、コース1万円にグラスシャンパーニュ、ボトルワイン一本を2人でシェアして、グラスで赤ワインを飲んで、お会計はひとり2万円ほど。これは素晴らしいお店です。
グランメゾンのような煌びやかさはないものの当店はクラシカルで本物です。どのお皿も主題が明確であり分かりやすく美味しいタイプの料理ばかりであり私好み。
ちょっと洒落たビストロで1万円強の食事を2回するくらいなら、頻度を下げてこちらに来た方が圧倒的な満足感を得られるでしょう。
予約も取れて、支払い金額的も良心的。こういうお店に通い続ける人生の方が絶対幸せだろうなーと改めて思いました。おすすめ!
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