井の頭通り沿いのビル2階にあるプルミエレタージュ。グレーと赤の階段が目印ですが、初めてだとスルーしてしまいそうです。
店内はテーブル席が6つほどと4席ほどのカウンターで構成されています。席数自体は姉妹店である「トラットリア チッチョ」や「ビストロ ハッチ」に同じであるものの、さすが旗艦店、なんだかゆとりを感じる空間設計。
現在はコースメニューのみだそうですが、我々が訪問した際はコースで出してる料理を中心にアラカルトで注文することもできたためこの日はアラカルトで。
ワインはグラスで1,000円ほどから始まり、ペアリングにも力を入れているからか料理との相性が良いものがメインに並びます。
我々はソムリエにお願いしグラスで料理に合わせてちょこちょこいただくことにしました。
富士鱒のエスカロップ 茄子、菊芋、カカオニブ
鱒自体のネットリとした旨みはもちろんのこと、菊芋のピュレの甘みやカカオニブのほろ苦さが思いのほか心地よく、足し算的掛け合わせは実にフランス料理っぽくて私は好き。
ちなみにエスカロップとは、”1cm前後のやや厚めの薄切り”という一種の切り方のこと。
ワインはフランス シャブリ。
フレッシュな果実に酸やミネラルを感じます。先の料理とのバランスを考えるのであれば、これくらいシンプルなものがいいのかも知れません。
つぶ貝とエスカルゴのブルゴーニュ風 ジャガイモのお好み焼き風
なんだか小洒落た見た目をしていますが、特に印象に残らず。
お次はヴォロヴァン。
パイ生地で蓋付きの器をつくり、中に詰め物をいれたフランス料理の一種。
フランス語でヴォル(vol)は飛ぶこと、ヴァン(vant)は風という意味を指し、これらを直訳すると風で飛ぶこととなり、それほど軽く膨らんだパイということからこの名前がついたそう。
中には鹿肉のリエットのようなものが詰められていました。ソースはかぼちゃを用いたもの。軽やかな仕立てながら味わいが濃く、本日1番のお皿です。
こちらには少し熟成したボルドーブランを。おお、いいですね。熟度の高い果実感に加えて、樽の香ばしい香りがパイと良い相性。
そこまで高価なワインではないものの、これぞマリアージュ。当店のソムリエの腕はかなりのものと感じました。
金目鯛のコンフィ フュメ・ド・ポワソン 黒米、百合根
金目鯛の火入れもさることながら、魚介の出汁のソースもグッド。魚料理としての位置付けであればもう少しポーションが欲しいところ。味わいがいいだけに少し残念。
ワインはロワールのシュナンブラン。桃やアカシアの花を思わせる味わいです。
以上、アラカルト4品にグラスワインを料理に合わせて頂き、お会計は1人6千円ほど。ビストロとレストランの中間のようなちょうどいい料理に、ワイン、サービスと揃い踏み。
系列店のアラカルトで気ままなスタイルも好きですが、食事もワインもある程度身を委ねて、ゲストとの会話に集中できるお店ってなかなか見つからないので当店の存在は大変貴重といえるでしょう。
今はコースのみらしいですが、4,800円〜と大変お得そうなので、次回はペアリングをつけてお邪魔したいと思います。
コメント