Les deux(レドゥー)/中目黒

フレンチ

 

中目黒駅から徒歩3分ほどに位置する、Les deux。フランス語で数字の2を意味します。

 シェフは、2000年から3年間渡仏したのち、自由が丘「ラ・ヴュット・ボワぜ」のスーシェフ、たまプラーザ「レ・サンス」やその姉妹店?である元町「ラール」のシェフなどを務め、2011年にソムリエールの資格をお持ちのマダムとお店をオープンさせました。

店内はL字のカウンター席、少し奥まった所に位置するテーブル席、パーテーションで仕切られた半個室?タイプのお席があり、マックスでも20名ほどのサイズ感。

この日は我々を含め15名近くのゲストが居ましたが、お2人で完璧に回してしまうスーパーご夫婦です。

 

コースはおまかせのフルコース(10,450円)。

前菜5品に魚料理、肉料理、デザートと全8品。後述しますが、かなりボリュームもしっかりとあるのでお腹を空かせてぜひ行きましょう。

ワインリストはフランス産のものを中心に揃えており、ボトルリストの価格も非常に良心的。それ以上にペアリングセットが4杯5,100円と大変お値打ちに感じたのでこちらをお願いしました。



乾杯はシャンパーニュ。

ペアリングってたいていシャンパーニュが別じゃないですか、しかしこちらはペアリングのセットに含まれているっていうのがなんとも気前がいい。好きになっちゃう。


アミューズはシラスと岩のりのケークサレ(塩のケーキという意)、あつあつのオニオングラタンスープ。

スープには序盤にもかかわらずトリュフがスライスされておりテンションあがる。

アミューズって冷たいものが多いイメージですが、こうやってあたたかいものをいただくのも新鮮。


前菜1品目は当店のスペシャリテ。

ズワイガニとホタテ、ウニのカクテル。これはめちゃくちゃ美味しいですね。それぞれの旨味が濃く、主役にもなりうる食材を下に隠れているニンジンのムースとシブレット(アサツキ)がうまく取りまとめてくれます。

ポジティブな意味で磯の風味も感じ、一瞬函館に旅行しにきたしたかのように思いました。


お次は対馬産穴子のベニエ。カレー風味の衣とポルト酒のソース。

穴子ってターメリックとかのスパイスとの組み合わせをたまに見かけるのですが、なんで相性がいいんでしょうか?(気になる)

ポルト酒のソースは、とろみと甘さを備え、ツメ(煮詰めた甘辛いタレ)に近いような味覚を感じました。



ワインはブルゴーニュの白。果実のふくよかさや少しばかりのナッツ感が衣のサクッとした部分と非常に相性が良く、熟成によるトロリとした蜜っぽさがこれまたソースの代わりにもなってくれます。



続いて、鮑とオマール海老のフラン(洋風茶碗蒸し)、ブイヤベース仕立て。

これがまぁ美味しかった。フランは、フランス料理だと比較的馴染みがあり、どちらかというと、個人的にはそこまで印象に残らないお料理なのですが、鮑やオマールといった食材が入るとここまでバケるのか。

上から注がれているブイヤベースも甲殻類の香りが凄まじく、非常に濃い味わい。

海の幸大好きマンとしては、フランとブイヤベースがそれぞれ1品として出てきてもおかしくないくらいのクオリティのものを同時に頂けるのはなんとも贅沢な気持ちになります。


合わせたワインは、プロヴァンスのロゼ。これまた最高な組み合わせですね。お料理とワインの格が揃っていて、非常にバランスの良いペアリングでした。これぞフランス料理であり、思わずニヤリとしてしまいました。



まだまだ続きます。

シェフが釣ってきたという太刀魚とカキ、下にはリゾットか敷かれています。かなり立派な太刀魚ですね。コース後半ではありますが、ソースに酸があり、スイスイと食べ終えてしまいました。

料理が美味しく思わず酒が進んでしまったため、ペアリングセットには含まれていませんが、追加で白ワインをグラス。

なるほど、サンセール。ソーヴィニヨンブランの爽やかなグリーンのノートや、ミネラルがお料理を邪魔しない。


メインは選択式です。5種類ほどの中から、グループで統一です。我々は和牛ホホ肉の赤ワイン煮込みをチョイス。

ナイフを当てると今にも解けそうなくらい柔らかく煮込まれています。

もちろん美味しいのですが、個人的には、もう少し煮詰まった状態のソースの方が好みであるのと、たまたまか若干赤ワイン?アルコール感が残っているように感じました。


赤ワインは、ボルドーのオーメドック、2008年と熟成したワインです。カベルネ・ソーヴィニョンを主体とし、そこにメルローが加わります。

熟したベリーに、凝縮感を保ちながらもスムースなタンニンが心地よい。

ボルドーは等級に関わらず、熟成を待ったほうがそのポテンシャルを発揮すると、私は基本的に考えますが、まさに理想とする味わい。

この金額で熟成したワインを楽しめるのは素直に驚き。



デザートは5種類の中から、ゲストごとに好きなものを注文できます。私は早生ミカンのコンポートをチョイスしました。

ミカンの上品な甘さに、ヨーグルト風味のソルベがグッド。

てか、デザート5種類もシェフ一人でこなしちゃうのすごすぎますね。

紅茶を頂き〆。


おまかせコースに、ペアリングセット(4杯)、それぞれ追加でグラスワインを1杯ずつ飲んで、お会計は税サ込で一人1.8万円。これはすばらしい費用対効果です。

既に述べましたが、一皿一皿、主題(メイン)が明確で、今何を食べているのか強く感じることができます。ポーションも十分。

加えて、マダムのサーヴィスが完璧。

徹底してゲストを大切にしてくれます。

よくある、どうぞごゆっくりと言葉を発しながら、ファーストドリンクとか、ある程度の料理までは出しておきたい感が見え隠れするお店とは段違い。

ゲストが、料理やワインのチョイスにたっぷり時間をかけてくれることをむしろ喜んでくれているくらいに感じました。

お料理ならびに飲料についての説明、ペアリングのワインのセレクト、全てが完璧。

充実した食事。18時過ぎに入店して3時間以上滞在してしまいました。


お店としての完成系。グランメゾンもいいけど、こうした温かみがあって料理の迫力を兼ね備えたレストランを知っているかどうかが人生の豊かさにつながりそう。大切な人と大切な時間を過ごしたい時に是非ともご利用ください。


私は、これから長いお付き合いをさせて頂きたいと思います。超おすすめ!

Les deux メニュー

Les deuxのメニューは基本的にお任せコース1種類。アミューズ、前菜3品、魚料理、肉料理、デザートの全7皿構成。

このうち、肉料理はテーブルで統一にはなるが、5種類ほどの中から選択できる。デザートはゲストごとに好きなものを注文できる。別々のものを注文するのも楽しそうですね。

平日に限り、アミューズと魚料理が省略されたショートコースがあるそうですが、時間が許すのであれば、圧倒的にお任せのフルコースがいいと思います。

ドリンクは、グラスのシャンパーニュが1,500円〜、グラスワインは白、赤、ロゼなどあり常時8〜10種類ほどありそうでした。ノンアルコールもそれなりにありますが、ぜひペアリングを注文しましょう。大変お得です。

HPには当店はワンドリンク制と書いてありますが、多分これ、ドリンクの注文をしないゲストが多数発生したから、注意書きしているだけで、こんなの書かれなくても常識ある人はせめて2杯以上は注文しましょうね。

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