広尾駅から歩いて6分ほど。広尾5丁目の交番があるあたり。建物の2階に上がるとグレーで統一された入り口があらわれます。ドチャクソにかっこいい。
Odeとはフランス語で抒情詩を表します。生井祐介オーナーシェフは音楽の道を志すも、途中料理の世界に惹かれ、植木シェフらと軽井沢 マサズ、八丁堀のシック・プッテトールなどを経て、当店を開店。
店内はカウンターの席を主体として、完全個室、カウンターからは独立しているもののガラスで外から中の様子が伺えてしまう半個室(?)とあり、いろいろな用途に利用できそうです。我々はカウンター席です。ウェイティングスペースなどはないのであまり早く着きすぎないように注意しましょう。
本日はお昼のおまかせコースに加えて、ペアリングでお願いしました。
乾杯のシャンパーニュは、ピノ・ノワールとシャルドネからつくられたもの。熟成感のある果実味とフレッシュな酸が素晴らしい。黄桃やアップルパイのようニュアンスも取れました。
ミレジムもの。テンション上がる。
余談ですがグラスのシャンパーニュって、一般的に抜栓してから間が空いてしまうと泡のコンディションが落ちていき、商品としてお出しできません。
商品ロスのリスクも価格に含め調整するため、金額に比べて味わいが凡庸、量が少ない、もっと程度の低いお店だと泡のコンディションが良くないにも関わらず、ロスにつなげたくないために正規の値段を請求するなんて事例も珍しくないのですが、当店のグラスシャンパーニュの味わい・量・価格全てがパーフェクト。
ワイン好きとしては大変に嬉しい。この後のペアリングにも期待がグッと高まります。
アミューズは、ド○ゴンボール???。遊び心に溢れた一品です。
オマール海老のムースをカカオバターでコーティングしたもの。一緒に出されたコアントローとの口内ペアリングも面白い。見た目の奇抜さに驚きますが、味わいもなかなかのもの。
アミューズもう一品は、ビーツのチュイル?中には黒オリーブなんかが入っていました。
前菜に移ります。シグニチャーでもあるグレーのお料理。
イワシで作ったメレンゲチップス。下には尾崎牛とアボカド、そして鰯のタルタルが隠れています。
鰯、尾崎牛、アボカドとそれぞれ脂を持ち合わせる食材が見事にマッチング。メレンゲの食感が心地よいアクセント。
こちらには日本酒。米をあまり磨かず、さらにはシェリー樽にて貯蔵してから出荷するという珍しいお酒です。ブラインドで日本酒とはまずわからないでしょう。味わいには厚みがあり、甘・酸の展開が面白い。
千葉県の木戸泉酒造のもの。HPに面白いお酒がたくさん並んでいたので今度ドライブがてら酒造見学しに行ってみよう。
続いて、春野菜とガレットのサラダ仕立て。味わいは美味しいのですが、あまり印象には残りませんでした。あと、ボール状のお皿の底に敷いてあるガレットを食べ進めるのは意外と難しかった。
ワインはオーストラリアのオレンジワイン。ヴィオニエ種100%。
ドライアプリコットやオレンジブロッサム、アールグレイなど。フレッシュで優しい旨味を伴っていました。
お次は、桜海老とキタカムイとフキノトウ、ガラムマサラ等が練り込まれたパスタ。ソースはターメリックとバター。桜海老の香ばしい香りとスパイスのアロマが鼻腔を駆け回ります。フランス料理でパスタ?と一瞬戸惑ったもののどこか親しみを感じてしまいました。
こちらにはブルゴーニュのサン・ロマン。背骨のようにピシッと通ったミネラルに熟した柑橘のフレーヴァー。
提供時(画像参照)はちょいと少ないななんて思っていましたが、食中もう少し召し上がりますか?なんて後から足してくれました。おそらく今回のペアリングで一番値段のするワインでしょうが、構わずこういった対応をしてくれるのは本当に懐が深い。。。
フロリレージュの分かち合うみたいなスタイルで塊肉をゲストでシェアします。
メインは豚のロースト。黒龍吟醸豚というブランド豚。繊細かつ上品な旨み。しっかりポーションがあり食べ応えもグッド。
合わせたワインはイスラエルのカベルネ・ソーヴィニヨン。ワイン自体は美味しいのですが、なぜこのペアリングなんでしょう。少しだけ疑問が残りました。
別料金でチーズ。
左手前のシェーブルと、ウォッシュのエポワスがトロトロで最高だった。ただ、コース金額に比べて若干割高に感じてしまいましたが、まぁレストランってそういうもんだわな。
チーズと合わせてソーテルヌのシャトークーテ。連れはポマールをそれぞれいただきました。
デザートはイチゴ(詳細失念)。小菓子にマカロン。6種類からサステナブルティーを頂き〆。
以上、ランチコース(9,900)にワインペアリング(7,000)、別でチーズとグラスワインをいただいて、一人あたり税サ込で2.3万円。
これは素晴らしい費用対効果ですね。
ジャンルはいわゆるイノベーティブ。奇を衒ったものをあまり好まない私は、少し敬遠していたのですが、当店のお料理は単純に味わいだけにフォーカスしてたとしてもものすごいレベルが高い。
要所要所で見た目だけだろうなんて懐疑していましたが一瞬にしてオーバーテイクされました。
加えて、ペアリングが抜群。シャンパーニュやブルゴーニュといった王道はもちろん、イスラエルなどの新興産地、オレンジワインに、シェリー樽で貯蔵した日本酒など自由自在。流れに抑揚があり、いい意味で軽やか。
サーヴィス陣も丁寧で非常に好感を抱きました。
食わず嫌いは良くない、そう感じた食体験でした。お酒が飲める女性とキメすぎないお食事デートに是非どうぞ。ペアリングは忘れずに。
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