表参道駅から歩くと10分ほどはかかるでしょうか、ワインオタクなら一度は耳にしたことがある最高級ワイングラス「ロブマイヤー」の日本総代理店によるサロンがあるあの近くにあるフレンチレストラン。
姉妹店である「コルク」の脇を通り入口へと向かいます。
店内に入ると思いの外席数があり、テラス(?)席なども含めると40席近くはありそうです。
我々は2週間前ほどにネットから予約したのですが、祝日ということもあり空いているのは20時スタートのみ。席数自体はしっかりあるものの流石の人気店であり、18時台のスタートをご希望の方は前持った予約が安心かもしれません。
この日のゲストは若めのカップルが多く、その他女子会や家族連れなども。ドレスコードもレストランにしてはかなり緩いので、キメるデートには不向きかもしれません。
お料理は6,600円のおまかせコース1本。
やはりドリンクはペアリングでしょうということで、シャンパーニュからデザートまで合わせてくれる「Sペアリング」をお願いしました。
乾杯は「THIENOT(ティエノー)」。6,000円そこらのペアリングでシャンパーニュも含まれているのは嬉しいですが、泡がなんだか気抜けてる(?)。
金額やオペレーションを踏まえれば仕方ないのかもしれませんが、私はフルコースが始まる前のあの食前酒のグラスを傾ける時間に重きを置いているので、序盤でテンサゲ。
アミューズは練りたて(?)のモッツァレラチーズ。かなり集中して食べれば、なるほどフレッシュな感じもしますが、もう少しポーションが欲しいところ。
お次はスペシャリテである◯ーゲンダッツに倣ったフォアグラのクリスピーサンド。これは文句なしに美味しいですね。しっかりフォアグラのリッチな風味がグッド。
合わせるドリンクはボルドー産アペリティフワインである「リレ」をベースにしたオリジナルドリンクとのこと。
前菜一皿目はフランス産のホワイトアスパラガスとサーモンのマリネ。
合わせるワインはフランス シャブリ。柑橘のアロマにりんごや洋梨を思わせる瑞々しくクリーンな果実味がお料理に寄り添います。
お次は茨城県産フルーツトマトの白ワインコンポート。初めは「トマトを一品にカウントするなんてただの皿数稼ぎじゃないの?」なんて疑っていましたがこれが旨い。トマト自体の凝縮感が素晴らしく高い糖度による甘味はもちろん心地よい酸味も残っており素晴らしい個体。
こちらにはハーブとスプマンテを合わせた1杯です。トマトとバジルの組み合わせは言わずもがな王道ですが、まさにそれ。試みとしては面白いですが普通にワイン直球で勝負してほしいなー。
お魚料理は鰆。ソースにはホタルイカを用いておりこれがめちゃ美味しい。第一に主題である鰆のポーションもしっかりとしており何を食べているか明確なのが嬉しい。加えてホタルイカの濃厚なソースのクオリティも素晴らしく本日1番のお皿です。
ワインはイタリアピエモンテの古代品種であるバラトゥチャットを用いたオレンジワイン。フレッシュな果実や石灰岩的ミネラル、ほのかなタンニンが心地よく、脂を蓄えたサワラの旨みにうまく調和。
メインは豚肩ロースのロティ シェリーヴィネガーのソース、ガルニは長芋に似たネバリスターや百合根。ランチや回転などを含めると1日100人以上のゲストを抱えることになるでしょうが、文句ない火入れです。シェリーヴィネガーのソースも軽やかで良い。
こちらにはフランス ロワール地方のカベルネフラン。
青臭さなどは微塵もなく、赤系果実が口いっぱいに広がります。キメの細かい酸とタンニン。
デザートに移行する前にひとり500円の追加料金にてマスカルポーネチーズを。確か福岡県でつくっている?らしく、以前広尾にあるイタリアン「BOTTEGA」で食べたソレがべらぼうに美味しかったので迷わずお願いしたのですが、これが大正解。
差額請求してくれて構わないから、一品目のチーズの代わりにコレをコースに盛り込んで欲しいくらいの美味しさです。
デザートはイチゴとクリームチーズのヴェリーヌ。フランス語で”ガラス”を意味する「ヴェール(verre)」とフランス料理に用いられる”陶器の器”を指す「テリーヌ(terrene)」を組み合わせた言葉で、透明なガラス容器に入ったスイーツ全般のことを指すそうです。上にのったクランブルがいいアクセント。
こちらにはギリシャのロゼ泡。なるほどこれは良い合わせですね。
焼き菓子とハーブティーを飲みフィニッシュ。コース料理にペアリングをつけ、お会計は税サ込1.4万円ほど。
これは個人的な感想ですが、とくに前半の料理ならびに飲料のポーションが少なく、印象に欠ける。同様の支払い金額であれば中目黒「Les deux」のようなスタイルが好み。
とはいえ、どのお皿も金額を考えれば申し分ないクオリティでそれに合わせるペアリングにも納得感がありました。また予約時に時間制とのことだったので、急ぎながら食べ進めなければいけないのかなと若干危惧していたのですが結果としてストレスのないテンポ感で一安心。
料理単体にグラスワイン1杯のような利用だとアレですが、「フルコースにペアリングで1.3万円」というパッケージで見れば非常に良くできたレストランなのではないでしょうか。
コメント