キガルニワショク弾(ダン)/代々木上原

居酒屋・バル

代々木上原駅南口を降りてすぐにある「ちとせビル」2階に店を構える「弾(ダン)」。同エリアにあるミシュランビブグルマン獲得の「オトナノイザカヤ中戸川」の姉妹店らしく、最近業態を統一し双方同一のメニューを頂けるようになりました。

この日は、オトナノイザカヤ中戸川に当日問い合わせしたところ姉妹店の「弾」であれば案内可能とのことでお邪魔する運びに。予約確定後、交通機関の乱れで約束の時間より15分ほど遅れてしまうかもしれないと「弾」にも電話をかけたのですが、両店舗とも電話口の応対がとても丁寧。スタッフレベルの高さが伺えなんだかで入店前からテンションが上がります。

店内は料理場前のカウンター席にテーブルがいくつかとコンパクト。この日のゲストは若いカップルや4人組の男性チームさらには近くにお住まいであろうお年を重ねたペアなど多種多様で、皆気の向くままに楽しんでいる様子でした。

お料理はポテサラや唐揚げといった居酒屋メニューはもちろん、金子太一シェフによるお椀料理や土鍋ご飯、はたまた中戸川によるタヤリンなど本格的な和食とイタリアンが自由気ままにラインナップしており大変魅力的。

ドリンクもそれに呼応するように日本酒やイタリアを中心としたワインが多くオンリストしています。グラスも1杯1,000円を下回るものもいくつか選択肢があり大変良心的。

余談なのですが、ワインリストに記載されている紹介文がなんともウィットに富んでおり面白い。ツレいわく「ネットに載っているような説明文を一言一句そのまま自店のワインリストに転載するようなお店が多いけど、こういうのスキ。」と楽しんでおり、私も機知に富んだ人間になりたいと密かに決意しました。

ちなみに井の頭公園駅すぐにある「イタリアワイン阿部」の阿部ソムリエの表現は大変勉強になるので若者は稽古をつけてもらうと良いかもしれません。

閑話休題。

乾杯はデラウェアと甲州を用いたスパークリング。アルコール度数もやや控えめで柔らかな酒質で和食にも寄り添ってくれそうな味わいです。

お通しは3種類くらいの中からスキなものをチョイスできます。私はクロスティーニを。

白レバーの生姜煮。思ったより優しめの火入れで生姜の香りもほのかに漂いいいアクセント。

さっそくグラスワインをいただきます。北イタリアのシャルドネ。これぞリッチなシャルドネといった味わいでしっかり酸度もあり素晴らしいバランスです。

連れは「熱燗にしてもウマそう」という説明書きに思わず心惹かれたらしく、マルケのヴェルディッキオ。好みの味わいなのか「カステッリディイェージはね、、」という私の蘊蓄を披露する隙もなく飲み進めていました。私も一口だけ頂いたのですがこれが後の唐揚げとピッタシで降伏宣言。

途中に自家製のフォカッチャ。こちらはいたってシンプルな味覚です。

鶏の唐揚げ。いわゆるオーソドックスな鶏の唐揚げなのですが、カウンター越しに出来上がるさまを目にすると心なしか美味しさも増すものだ。

少し変化球的に日本酒の古酒を。私の見立てでは唐揚げと意外に合うかもと思ったのですが、可もなく不可もなくの結果に。チリソースとかを足したら良いのかな。

花ズッキーニのフリット。中に忍ばせてあるリコッタチーズ?もよく美味。

シチリアのカタラットを用いたオレンジワイン。オレンジやアプリコットなどのフルーツに海風を浴びているようなミネラル、心地よい酸とタンニンがお料理との相性を引き立ててくれます。

ヤリイカと桜エビのリゾー二。米粒型のパスタであるリゾーニがイカやエビの旨味のエキスをたっぷりと吸い上げておりたまらなく美味しい。パンを残しておいてソースを拭い切りたいほどでした。

こちらにはシチリアのグリッロアンソニカというブドウによる白ワインを。華やかさとアフターのキレ味が共存。これぞイタリアという組み合わせという最強の組み合わせで満足。

いやー良いお店でした。店名に掲げているようなある程度食べ慣れた「オトナ」がアラカルトで楽しむお店。これぞ日常における最高の贅沢といった食後感で、ふらっと訪れたとは思えない満足感です。前述したようにサービスもつかず離れず。必要十分で私好み。

老後はこういうお店の近くに住みたいと思います。

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