レストランひらまつ/広尾

フレンチ

 

レストラン事業はもとよりウエディング事業やリゾート事業など幅広く展開する「ひらまつ(Hiramatsu)グループ」のフラッグシップである「レストラン ひらまつ」。大人の事情で経営元が異なるのはさておき、広尾駅からすぐ近く、有栖川公園方面の道中に位置します。


さすがはグランメゾン。広尾の一等地にもかかわらず、美術館を彷彿とさせるようなエクステリア。我々は恵比寿駅からタクシーを利用したのですが、ゲストの予約時間に合わせてスタッフの方が折り目正しく店外の入り口前で待機してお出迎えしてくださいます。思わずお姫様にでもなったかのような錯覚に陥り、この時点で心奪われます。

スタッフの方の後ろにつき、エントランスをくぐり抜けると、豪華なシャンデリアをはじめとした立派な美術品の数々がお出迎え。


メインダイニングは3階につき、階段を登っていくのですが、マジでお城の中を見学しているような気分でテンションぶち上げ。長丁場になることを想定して、2階にて化粧室をお借りします。


清潔感並びに落ち着きで溢れた店内はおよそ30席前後であり、グランメゾンとしてはちょうど良いサイズ感です。利用人数によってはルームチャージを要するものの別途個室もあります。




今回はランチで訪問しましたが、席のみの予約でコースは着席してから決めることにしたのですが、ちゃんと金額が伏せられているメニューがゲスト側に渡っていて安心。こういう当たり前のことをちゃんとできないミシュラン3つ星店もあるなか、当店はさすがの一言。

シーズナルメニューを堪能できるランチBメニューを。



グラスでシャンパーニュを。この日はたまたまか、最も安価なシャンパーニュがグラスで税サ込4,000円に迫ります。高級ホテルのメインダイニングをも超える価格設定であり、もう一段階リーズナブルなものの用意があると嬉しいところ。

 

レモンピールやリンゴなどの果実にヴェルヴェーヌを思わせるハーブに加え、焼きたてのパンやアーモンドを感じる複雑なアロマ。多くの要素をしっかりと感じながらもしっかりとまとまりがあり圧巻のクオリティ。絶対額は高いもののさすがの味わいです。



この後は、料理に合わせた4種類のワインペアリング「デギュスタシオン・デゥ・ヴァン」でお願いしました。



アミューズブーシュはグジェール。




当店のスペシャリテでもある赤ピーマンのムース。なめらかで甘味のあるムースにフルーツトマトの優しい酸が加わります。



紅富士マスとリンゴのタルタル、ルバーブのエキスを用いたクリームのソース、うずらの卵のポシェ。マスの旨味はもちろんのこと、りんごとルバーブという異なる種類の酸味をうまくまとめ上げており好印象。


こちらには、自社で輸入しているらしい?アルザスのリースリング。

熟成感もありながら、リンゴやグレープフルーツ、鉱物のようなミネラル。品種由来のペトロールや白い花、蜜蝋なども感じる好きな味わいです。料理との相性も言わずもがな。




お魚は鰆。ソース ヴァンジョーヌとナスのクーリ。
炭火の香りを纏っており、火入れも抜群。これは激ウマですねぇ。人生で最も記憶に残った鰆でした。


ワインは白ワイン。フランスブルゴーニュを代表するピュリニー・モンラッシェの一級畑であるレ・ピュセル。教科書に載っているような熟成による深い色調であり、飲む前から最高の味わいが約束される。アーモンドやバター、パングリエ。オレンジオイルやシェリーのような酸化熟成のようなニュアンスもほのかに感じることができました。
炭火の香りを鼻腔いっぱいにとどませるような、グランメゾンならではの贅沢なペアリングですね。



メインは豚のロティ。赤ワインソース。付け合わせには菊芋のピューレと野菜のロースト。銘柄は失念してしまいましたが、豚肉そのものの味わいもさることながらソースが素晴らしいですね。


こちらには、ボルドーサンテミリオンのもの。カベルネフランとメルロを主体としたものらしく、華やかな香りとしなやかな味わいがしっとりした豚肉に寄り添います。



コースとは別にチーズを追加で。ワゴンで登場するのですが、圧巻のラインナップですね。

 

私は、エポワス、バルビシェットだったかな?シェーブルに加えて、白カビに無花果を合わせたチーズをいただきます。



追加でブランデーを合わせてもらいました。余談ですが、フィーヌ(FINE)とはブドウの搾りかすを原料とするマールと異なり、基準外のブドウもしくはワインを蒸留してつくられるブランデーのことを指します。



デザートには桃を丸々一つ用いたコンポート。下にはマラスキーノ風味のグラニテ。デザートまで抜かりなし。


ワインは序盤と同様、アルザス地方のゲヴェルツトラミネール。遅摘みブドウを用いたスタイルのワインで、ブドウ本来の上品な甘みがデザートと抜群の相性です。



ミニャルディーズに珈琲をいただき、〆。


お会計は税サ込1人4万円。

ディナータイムに訪れるとおそらく6万円ほどに着地するでしょう。

都内のフランス料理店と比べると。絶対額は高いもののそれに見合う価値のあるレストラン。頭抜き出たクオリティの料理とワインに加えて、サーヴィスが素晴らしい。入店から退店までこれまで隙のないサーヴィスには感服。

最近の重すぎないフレンチとは異なり、重厚感たっぷりのお店であり、意義深い。いちゲストとして経営がV字回復することを心から願うばかりです。絶対に外せない食事にはぜひ当店へ。オススメです。

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