銀座7丁目、並木通り沿いに位置するグランメゾン。資生堂が経営を行なっており、開業は1973年と歴史があります。
当店のエグゼクティブシェフであるオリヴィエ・シェニョン氏は、タイユヴァンやピエール・ガニェールのパリ本店などで経験を積み、2005年にピエール・ガニェール・ア・東京の総料理長として来日後、2013年に当店のエグゼクティブシェフに就任。
突如として、あらわれるゴールドと白の建物。一瞬お城か?と見間違えるほどのエクステリアです。入り口前にはドアマンが立っており、背筋が伸びます。予約していた旨を伝え入店。
予約時間より早く着きすぎてしまったため、ウェイティングスペースにて待たせてもらったのですが、装花や絵画も抜かりなく美しい。さすがロオジエ。
定刻となり、螺旋階段を降りながらダイニングへと移動します。くどいですが、マジでゴージャス空間。
ダイニングは30席ほど。グランメゾンとしてはちょうどいいサイズ感ですね。
訪れた当時(2021年)は「menu déjeuner(11,000) 」「menu les belles gourmandes(15,000)」の用意があり、せっかくなので後者をチョイス。
乾杯のシャンパーニュは、RM(栽培から醸造まで自社で一貫して行う生産者)によるムニエ主体のもの。ムニエって補助品種のようなイメージだったのですが、こちらは別格。
てか、今や超人気生産者となり市場価格で6万円をゆうに超え、手に入りづらいシャンパーニュになってしまいましたね。神様、井黒様ありがとうございます。
アミューズ・ブーシュ。繊細。食べるのが勿体無い。
メニューには記載されていないのですが、もう一品出てきました。メニューは失念。
こちらに合わせていただいたのが、フランス ローヌ地方のコンドリュー。アプリコットや白い花、トーストなどの香り。リッチでまろやか。芳香剤を嗅いでいるのかと錯覚しそうなほど香り豊か。衝撃的でした。
コース一品目?は鳥取の天美卵。ほうれん草と紫蘇を濾して作られたソースをまとっています。
濃厚な味わい。付け合わせのグリーンアスパラもめっちゃ細かい調理が施されており食べるのが惜しかった。
こちらにはアルザスのリースリング。白い果実やハチミツのニュアンスを感じます。
お魚料理は甘鯛のウロコ焼き。そういえば鱗焼きと松笠焼きって何が違うんだろう。
カリカリとした皮目としっとりとした身と食感のコントラストが楽しい。糸のように仕立てられた野菜や、磯の香り漂うスープ?もグッド。
少し熟成したムルソーをいただきました。私なんかが申し上げる必要などなく美味しい。ムルソーは正義。てかここまで王道のフランスワインをいただけるのワイン好きとしては非常にうれししいし、プロとしての矜持を感じます。
メインは仔牛のロティ。付け合わせにはリー・ド・ヴォー(胸腺)とシトロンコンフィを詰めたサラダ菜のボンボン、キャロットのフォンダンとフルーツガーリック、マジョラム風味のジュ。暗号みたいですね。。。一皿にこれだけの調理と技術が込められているって改めてすごい。簡単には理解できないからこそ、挑む価値があるっているか。。。フランス料理最高。
シルキーな肉質かつミルキーな味わいの仔牛は言わずもがな美味でした。かつメインにふさわしくしっかりとしたポーション。
繊細な味わいのお肉に合わせたのはブルゴーニュのピノノワール。ジュブレ・シャンベルタン。
生産者はビオディナミ農法を取り入れており、プレパラシオン(肥料的なもの)に調合するハーブも自家農園で育てている拘りよう。さまざまなベリーの果実味としなやかなタンニンがお肉のテクスチャーと合わさりたまりません。
デザートはコクリコ(ヒナゲシ)を用いたもの。日本では馴染みがあまりありませんが、フランスではどこにでも咲いているごくありふれた花の一種。日本でいう桜的な?。フランスの国旗の赤色はこのヒナゲシからきているそう。
サービスでラタフィアをいただきました。ブドウ本来の上品な甘さを感じられる絶品のワイン。初めて飲みました。
ミニャルディーズはワゴンにてサーヴィスされます。めちゃ綺麗。この時ばかりは思わずホテルラウンジとかによくいるアフターヌーン女子みたく、写真を何枚も撮ってしまいそうなくらいにテンションが上がりました。
都内のショコラティエなら一粒300円はくだらないであろうショコラが実質食べ放題。遠慮せずに気になったものを片っ端からチョイス。ギモーブも美味しかった。
以上、ランチコースにペアリングにこれだけの素晴らしいワインを頂いて、税サ込一人2.5万円。非常に素晴らしい。絶対額はそれなりにしますが、銀座という地を考えるとリーズナブルであると思います。
料理のクオリティ、ワインのセレクション、サーヴィス全てが一流。また白と金を基調とした店内の雰囲気は非常にゴージャス。居るだけで幸せな気持ちになれます。グランメゾンの風格、さらには伝統を守りつつも、未来を見据えて若いスタッフが中心となって運営しているのは非常に意義深く感じました。
記念すべき日に大切なパートナーと、ぜひ目一杯着飾って訪れてください。おすすめです。
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