2022年12月に自由が丘にオープンしたこはくどき。主な事業はワインの小売販売なのでしょうか?店内はワインショップのような感じで、併設するカウンターにてワインを楽しむことができるお店です。
店内は入ってすぐのカウンター8席ほど。高級感漂う大理石調であり、さすが自由が丘。
加えて、2階にも10人くらいで利用できる座席もあり、この日は団体のおじさん達が賑やかに飲んでらっしゃいました。
当店はワインのほか、スピリッツの取り扱いも豊富。街中ですれ違ったら、およそバーテンダーとは思えない若い女性の方が慣れた手つきでシェーカーを振っており思わずギャップ萌え。
王道のカクテルのほか、客のリクエストを踏まえてアレンジまで施してくださいます。
グラスワインは1,000円〜、シャンパーニュはもちろんこの日はオレンジワインが2種類などを含む10種近く空いていた気がします。ワインラヴァーも退屈しない充実したラインナップ。加えて、奥のウォークインセラーにはフランスを中心に、オレゴン、オーストラリアなど注目の産地も取り扱っていらっしゃいました。
ちなみに抜栓量は小売価格に1本2,000円だか、2,500円だかそれくらいでした。
まずは、シャンパーニュ。小規模生産者によってつくられているもの。何度か飲んだことがある生産者ですが安定感がありますね。
てか、夕方に飲むシャンパーニュって2割マシに美味しく感じるのはなぜでしょう。
シャンパーニュで喉を潤しながら、この日の過ごし方について連れと相談します。ボトルでいくかグラスで行くか。
ちなみに食事のメニューはないもののスタッフの方に相談すれば、持ち合わせの食材で調理してくださるのですが、想像以上に本格派です。ワインに合わせてオートクチュールに仕立ててくれるといった印象。
ちなみに、支払い金額から逆算するに前菜は1,500円前後、メインは2,500円前後といった値付けで、いずれも2人前であり妥当。確認してないので、なんとも言えませんがおそらく1人で訪れても対応してくれるでしょう。
我々は気になったボトルワインを1本見つけ出し、それに合わせて普通に食事がしたいと伝え見繕ってもらうことに。
アメリカ オレゴンを代表するピノノワール。オレゴンといえば、カリフォルニアの北に位置し、太平洋の寒流の影響を受け、冷涼な気候条件のもと高品質なピノノワールの栽培地として注目の産地。
赤系ベリー主体のピュアな果実味に、オレンジやバラ、プーアール茶のような香りすら感じる複雑なアロマ。抜栓してからの表情の変化も素晴らしく、ボトルで飲む意義を感じさせてくれる1本でした。
一皿目はイチジクとリコッタチーズのカプレーゼ。シャンパーニュに合わせてとのことでした。
お次はマグロのレアステーキのようなもの?加熱してることによりワインと相性が悪いとされる魚臭さがかなり軽減され、赤身の旨みのみを味わうことができます。付け合わせのジャガイモのグラタンもものすごく美味しく、これだけで1品として成立しそうなクオリティです。
マグロとピノノワール、定番の組み合わせですが、これを即席でやってのけるなんて、当店のシェフは相当なワイン好きとみた。
オーダーを受けてから手持ちの食材で調理をするスタイルであり、料理の待ち時間はやや長くなりますのでパートナーとおしゃべりしながらのんびり待ちましょう。
牛ほほ肉のバルサミコ煮込み。
黒酢を用いた酢豚に近い味わいで、ブラインドで食べれば中華料理とも答えてしまいそう。なるほどワインの味わいを考えれば、こうした酸をきかせた料理もアリ。
調子に乗った我々は2本目に突入します。どれにしようか決めかねていたところ、先の料理人からぜひ飲んでもらいたい1本があると言われたので、期待しつつ受けて立つことに。
イタリアピエモンテのバルベーラ。SO2を含め、醸造に関して添加などを行わないこだわりある俗にいう自然派ワインの生産者だそう。
説明を聞かずフラットな気持ちで飲めばバルベーラというよりアマローネと答えてしまいそうなほど。完熟?過熟したブドウを用いているのではないかと思うほど濃厚な味わい。
なるほど。退店後にこちらのワインについて調べると、大変人気な造り手らしく?供給に対して需要が上回っているなかなかお目にかかれない生産者であるそうで、一見客にもかかわらず、そうしたワインを手配してくれたお気持ちは嬉しいところ。
一方で私の好み、いや少なくともこの流れで飲みたいとは到底思えないかなりパワフルなスタイルで一本飲み終えることができませんでした。加えて伝票を確認した際の内訳でこちらの1本で2万円をゆうに超える金額がついており、想定外のアクシデント。
市場価格並びに希少性を踏まえれば、法外な値付けではないものの、内心、2万円もするならもっといいワイン(私にとって価値のあるワイン)があったと考えると後悔が押し寄せてきます。これも新たなワインとの出会いと捉えることにしましょう。
これに関しては、金額を確認せずに注文をした私の責任、初対面にも関わらず全任せした私が悪いのです。これだけワインを飲んできてもたまにこうしたミスコミュニケーションってあるんだなーと反省した1日でした。
話が逸れました。
お腹の具合を聞かれ、もう少しいけそうなので引き続き調理をお願いすることに。
チーズの盛り合わせ。ゴルゴンゾーラ、パルミジャーノレッジャーノ、ミモレット。結構薄めのカットでした。
鴨ロースト。この日はたまたまかかなり火入れが進んでおり若干硬さを感じる肉質でした。
パスタはペンネ。ゴルゴンゾーラとクリーム、サルシッチャだったかなが合わさった濃厚な一皿。こちらもやや塩気が強く、ワインとのバランスを考えるとトゥーマッチな気がしました。前半の料理から期待値が上がっているのでこうした評価をしましたが酒のつまみとして即席で作ってもらったと考えれば十分です。
この日のお会計は1人2.5万円ほど。これは激しく飲み食いした結果であり、通常の飲食量であれば1人あたり7−8,000円に落ち着くことでしょう。途中ワインのトラブルがあったのものの、早い時間から利用できるワインバーとしては大変重宝しそう。グラスでもボトルでもワインの選択肢が幅広いだけでなく、カクテルまで飲めてしまう非常に自由度の高いお店。
自由ヶ丘にはレストランBをはじめとした素晴らしい飲食店が多数あるのでその0次会や2次会にはもちろんのこと、マダム達の憩いの場として活躍すること間違い無いでしょう。
ワイン選びはホストが必ず責任を持つように、任せるのであれば私のような文句は言わないように。
いい勉強となりました。ご馳走様です。
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