JUURI(ユーリ)/蒲田

スパニッシュ

京急蒲田駅から歩いて5分ほど。あすと商店街というアーケード沿いに店を構えるのですが、マップ片手に目的地へ向かっていても一度通り過ぎてしまいそうになるほどの店構えです。そう、「当店は花屋とワインバーとワインショップ」というのがコンセプトであり、どこか武蔵小山の「Eme」に近しい雰囲気(業態は全く異なるが)を感じました。

コンセプト通り、店内に入るとお花を買いに来ているゲストや店用のワインを調達しに立ち寄っているゲストなど混在しておりなんだか不思議な空間が広がります。平日の夕方前に伺ったのですが、美味しいもの敏感そうな女性のペアやソロの女性とレディの比率がめちゃ高い。

全席スタンディングで食べログのページには12席ほどとの記載がありましたが多分そんなに収容できないと気がします。

お料理はタイトなスペースをうまく使いながらガスパチョやアヒージョなどの前菜系だけでなく、メロッソといったご飯物はひととおりありました。

勘のいい貴方はお気づきかもしれませんが、当店はミシュランビブグルマンを獲得したスパニッシュ「Sonrisa(ソンリサ)」の姉妹店。

ワインもスペイン産のもの数多く取り揃えており、最近はやりの”自然派”と呼ばれるものを中心としているそう。グラスワインの種類は10種類以上あり豊富なのは嬉しいですが、店内のキャパシティに比べると多い気がして販売ロス(損失)がないのか心配になります。心なしかグラスの値付け自体もやや高く販売ロス分も何割か価格転嫁された印象を受けました。

併設するウォークインセラーから好みのボトルを選び、バーエリアで飲むこともできるらしいのですが、抜栓料は1本あたり2,750円とスタンディングのワインバーにしては高すぎ。広尾のエノテカでは素晴らしいカウンターにちゃんと座席まで用意されて1本1,100円だというのに。

特段の事情がなければグラスで飲み進めるのをお勧めします。


ポルトガルD.O Daoのエンクルザード。「Dao」を「ダン」と読める貴方はかなりのワイン通ですねー。個人的に注目している産地並びに品種であったためにこちらをグラスで。

マセラシオンをしっかり目に行なっているのか外観はほぼオレンジ。柑橘類のフレーバーにハチミツやシナモンを感じます。早飲みのイメージが強いポルトガルワインですが、こちらは厚みやボリューム、複雑味を感じるワインでした。

ちなみに調理からサービスまで全てを1人で取り仕切る今風のオニイサンの仕事っぷりは非常に丁寧です。目先の利益に惑わされることなく、ちゃんと品質の見極めをしてくれます。私が注文したワインが開栓してから3〜4日経過していたらしくコンディションがベストじゃないと彼のティスティングから判断し、新品のモノを抜栓してくれました。

加えて、「良かったら(提供した)ベストのものと、少しコンディションが落ちてしまったもの飲み比べてみますか?」との厚意に甘えて飲みくらべてみると確かに違いは明白。

お若いのに彼のプロ意識の高さには同性ながら恋してしまいそう。

ゲストの許可なくティスティングと称してガバガバワインを飲むだけ飲んで「若いですね」としか言えない人は当店へ勉強しに来るように。

私の好みとは少し異なるタイプのお店ですが彼にはまた会いに来たいと思います。高いボトルワインを抜栓して一緒に乾杯しに。

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