六本木駅から歩いて5分ほど、芋洗坂くだった雑居ビル3階にあるイタリア料理店。入口には会員制と書いてありますが、恐らくスナックか何かの居抜きなのでしょう。特別紹介制という訳ではなく、通常の電話予約を受け付けてくれます。その際、「1人3杯以上のドリンクの注文をお願いしております」と確認されるのですが、酒飲みの我々には朝飯前である。
馬場シェフは西麻布「ヴィノーブル」や白金台「リストランテアッラバーバ」でご活躍されたお方であり、店名のアッラバーバは「馬場風」の意です。
店内は、横並びのカウンター席が6席に、4名掛けのテーブルが2つほどとコンパクトで、この日は食への関心が高そうな男女のグループや同業者と思われるゲストで席が埋め尽くされていました。
お料理はアラカルトなのですが、お一人で全て調理しているとは信じられないメニュー数。
グラスワインは1,000円〜、ボトルワインは6,000円〜と立地を考えると良心的。まずは泡のボトルをということで安定のフランチャコルタ カ・デル・ボスコ(Ca’del Bosco)をチョイス。
1人あたり1,000円のチャージを徴収される代わりに、酒のツマミがたくさん出されます。オリーブやグリッシーニ、生ハムとバターが乗ったパンなどどれもちょうど良い塩気があり、これだけで料理が到着するより前に泡を飲み終えてしまいそうです。
サラミ生ハム盛り合わせ。12ヶ月の熟成を経た生ハムが印象的。そこらのお店で提供しているものとは全くの別物であり味わいが非常に濃く美味。
椎茸のサルシッチャ詰フリット。いわゆる椎茸の肉詰めを揚げたような一皿で、不味いはずがありません。自家製のBBQソースみたいなのとも相性よく、ビールが飲みたくなる。
ブリのカルパッチョ。程よく脂を蓄えた個体であり量もたっぷりで嬉しい。
カチョエぺぺ。黒胡椒とチーズというシンプルな調理であれば実に奥深い味わい。パスタにつき取り分けてくださるのですが、嬉しいお気遣い。
メイン?には鶏モモ肉のソテー ディアボラソースをチョイス。
さすがプロの火入れであり、皮目のクリスピーな食感と身のジューシーなコントラストが素晴らしい。食材自体は我々でも調達できるでしょうが、この仕上がりは素人の私にはできません。シンプルなものこそ力の差が歴然となるのである。
ちなみに、diavola(ディアボラ)とはイタリアで「悪魔の」を意味し、諸説ありますが切り開いた鶏肉の形がマントを広げた悪魔のように見えることが由来だそう。
鶏のジュにエシャロットやカイエンペッパー?などを加えたシンプルなソースでした。
グラスワインを追加。北イタリアのピノ・ネーロ。やや野生味を感じるベリーやチェリーなどのフレッシュな果実味が溢れます。タンニンは少なく、やや酸を感じるスタイル。
男2人で割と腹一杯食べ、泡1本とグラスワイン1杯ずつ飲みお会計は1人1.1万円ほど。いいですね。お料理はシンプルな調理なものが多く、どれもわかりやすく美味しい。ワインもカジュアルなものからグランヴァンまで幅広く取り扱いがあり、値付けも良心的。
深夜まで営業しているらしく、夜遅くの食事にも重宝しそう。ワインが好きな人と肩肘はらずに美味しいものを食べたい時にぜひどうぞ。
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