巣鴨地蔵通り沿い、軒先に吊るされた杉玉が目印の蕎麦屋「菊谷」。庚申塚駅が最寄りですが、巣鴨駅から歩く場合は10分強。
HPには「趣味が高じて蕎麦屋を始めた」とありますが、2018年より連続でミシュランビブグルマンを獲得している実力派。
落ち着きのある店内は3つほどの長テーブル含めると20席弱はあるでしょうか。平日13時半頃の入店で客入りは半数ほど。
オトナの飲み処らしく蕎麦前が非常に充実。10種類以上ある日本酒は5勺から注文可能と懐の深さ。また日本酒以外の酒類も充実しており、蕎麦屋としては珍しくグラスでワインが白・赤・オレンジと楽しめます。
ランチにつきまずは瓶ビールを。
酒肴並びに一品料理も比例するように大充実で組み合わせ無限大。私ははじめてにつき蕎麦までひと通り楽しめそうな「菊遊ご膳」を注文し、別途穴子の煮凝りを追加することに。
確認を怠った私も悪いのですが、先付けをふっ飛ばして酒肴3品盛りからスタートです。サバの燻製、ぬか漬け、チーズのかえし漬。
いずれも酒に合う味付けで、ポーションからは想像もつかないほど酒が進む。店主は大のお酒好きであることを確信しました。
天ぷらは、海老と舞茸のほか蕎麦がきを揚げたものが登場。海老は小ぶりながらも旨みがたいへん濃く、今まで食べてきた海老天の中でもかなり印象に残りました。
このタイミングで穴子の煮凝りが到着。わりとスピードメニュー的な立ち位置だと思っていたので、拍子抜け。木の芽のピリッとした爽やかな香りが素晴らしくポーションもなかなかです。
コースの蕎麦は声かけ制であり、こちらのタイミング次第。支払い金額から逆算するにたしか400円ほどだったと思うのですが、追加料金を支払えば食べ比べを2種から3種に変更することもできます。
1枚目は常陸?の秋蕎麦。細打ちの見た目のわりに香り高くもっちりふくよかな味わいで一番好み。
2枚目は千葉成田の在来種によるもの。あまり在来種の経験がないので的外れかもしれませんが若干の野生味を感じます。
3枚目は秩父在来種?の4年熟成。香りの余韻というか滞空時間が一番長い気がしました。
この日は瓶ビール1本にとどめお会計は4,000円ちょい。ディナーにそれなり食べ飲みしても7,000円ちょいに落ち着きそう。
蕎麦前の充実度は都内でもなかなかでありどれもが本格派。蕎麦はややマニアックで玄人向けといった印象を受けましたが、私のような初心者は難しく考えず食べ比べによる違いを楽しむくらいの気持ちでいればいいと思います。ふらっと訪れてこのクオリティを楽しめるおじいちゃんおばあちゃん達が羨ましい限り。
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