私が好きな西荻窪のバー「A BAR FOREST」の角をすぐ曲がった小道のようなところに店を構える「蕎麦 カネイ」。2021年にオープンとのことですが、店主は西荻窪「鞍馬」に勤めたのち独立したそうな。11時〜20時までの通し営業と私のような昼過ぎから酒を飲みたい人間にとっては大変助かるお店。
まだ新しさの残る扉を開けると、落ち着きのある空間が広がります。玄関口で土足を脱ぐ必要があるので、ブーツをお召しの淑女をお連れする場合は一言伝えておくのがいいでしょう。
店内は10席ほどでしょうか、コンパクトではありますが、広々としており、酒をゆっくり飲むには最適でしょう。
店主お一人で仕込んでいるとは思えないほど蕎麦前が充実しており迷っちゃう。
ビールの大瓶は800円、日本酒は1合1,000円ほどと値付けも良心的でこの時点で店主とは仲良くなれそうです。
瓶ビールを注文すると、甘辛く炊いた昆布が供されるのですが、これが美味い。ポーションを大きくすれば立派なツマミの一皿として成立しそうな味わいです。
本日の白和え。この日はアスパラガスを用いているそう。量もたっぷりあり、日々の野菜不足を解消してくれます。
15分ちょっとして鴨の炭火焼き。提供前から素晴らしい香りが漂いテンション上がる。鉄分をしっかり感じる筋肉質な身の部分と甘みを伴った脂身、どちらも甲乙つけがたい美味しさです。
蕎麦はかき揚げ天ざるを。春菊と海老をマトメ揚げたそうですが、これがまた美味。春菊のほろ苦さと海老の旨味がこれでもかと口いっぱいにに広がります。天ぷらまでこの仕上がりとは流石です。
本命の蕎麦についても、細切りながら繊細なソバの香りを楽しめます。辛めのツユも私好み。
文句なしにこれは佳店。上記の飲食で支払い金額は5,000円強と体感の2割ほど安い。蕎麦前から蕎麦までどれをとっても高いレベル。加えて酒のラインナップも申し分ありません。この日はかなり空いてる時間帯にお邪魔したので、混雑時は提供まで時間を要するものもいくつかあるのでしょうが、それを考慮しても素晴らしいお店でした。おすすめです。
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