浅草の閑静なエリアに位置するビストロ。銀座線浅草駅からは徒歩で15分ちかくかかるので、靴選びにはお気をつけて。我々はタクシーを利用しました。
レストランオマージュの姉妹店。店名の「ノウラ」は隣接するレストランオマージュ”のうら”に位置することから命名されているような?
入口を開けると右手側直ぐに、清潔感のある厨房があります。テーブルが縦一列に並んだ珍しいレイアウトで、店内はおよそ20席前後だったかと思います。
シャンパーニュはグラスで1,800円、ボトルで12,000円〜と中々な価格。
少し悩んだ末、同価格のラグジュアリービールであるROCOCOをチョイス。フルーティーで華やか。ビール界隈だと圧倒的にエレガントですが、やはりビールはビールでした。いつも通りシャンパーニュ、もしくはスパークリングワインにすればよかったな。
ランチは2,640〜ほど。
メイン4種類からの選択式で、全てにサラダとパンとアイスがついてきます。
それぞれ、鮮魚のポワレと鴨のコンフィをチョイスし、別途アラカルトメニューからも注文が可能であったのでパテアンクルートを追加注文。
まず、サラダ。葉物野菜だけでなく、鯵のマリネやラタトゥイユ風のオムレツ?やひよこ豆のフリットのような前菜も一緒に盛り込まれています。当初はランチのおまけ程度かなと想像していたのでこれは嬉しい誤算です。この一皿だけで、ワインが飲める。
続いて追加注文のアンクルート。中にはシャモロックのパテやフォアグラがギッシリ。厚みは一般的なものの断面がiPhone2台ほどのビックサイズ。付け合わせのアプリコットのジャムやシェリー風味のコンソメジュレもこれまたいい役割。ポーションの割にはあっという間に食べ終えてしまいました。
グラスでそれぞれ、ローヌとブルゴーニュの白ワインをいただきました。
ローヌのそれはグルナッシュブランやルーサンヌ、さらにはヴィオニエやヴェルメンティーノを用いており、フローラルな花の香りやミネラルを感じる親しみやすいワインでした。
ブルゴーニュのそれは、さすがカリオン家。そこらのACブルゴーニュよりも頭ひとつ抜きでたクオリティ。グラスでいただけるのが非常に嬉しい。
連れのお魚は金目鯛、サーモンのムース。ブールブランソース。
素晴らしい火入れ。ガリっとした皮目とふっくらした身の部分のコントラスト。ブールブランとの相性も間違いなく、上に添えられたミョウガがいいアクセントでした。
私のメインはシャラン鴨のコンフィ。ビストロといった王道の料理であり、ポーションも200g近くありそう。シャラン鴨とは、フランスのロワール地域圏ヴァンデ県に位置するシャラン地域に生息していた鴨を家禽化した純血種であり、現在国内市場に流通しているシャラン産鴨とは似て非なるものであるのでご注意を。
この鴨は大変旨味が濃いですね。付け合わせのマッシュルームのサラダやじゃがいものガレットなどもシンプルながら美味い。
鴨には、ブルゴーニュの村名ピノ・ノワールと熟成したボルドーをグラスでいただけるとのことでしたので、それぞれ頂戴しました。間違いないマリアージュですね。
この日は欲張ってしまい、ルーロー飯をハーフで追加。これだけ本格的なビストロ料理を提供しているお店がルーロー飯?と気になり注文しましたが、やや美味しいルーロー飯といったところで、そこまで印象には残らず。
最後にアイスをいただき〆。
3,000円ほどのランチにアラカルトでアンクルートを追加し、ビール、白、赤それぞれいただいて、お会計は一人8,000円強。
ビストロというよりかはもう少しレストランよりなビストラン(ビストロとレストランの中間的なお店)のような印象を受けました。
少数精鋭ながらも非常に丁寧なサーヴィスです。
料理はクラシックでありつつ、洗練されている印象を受けました。一皿一皿の主題が明確でありながらも野暮ったくならないような盛り付けの技術。非常に私好み。
ワインはフランス産が中心で、10,000円前後がボトルワインのボリュームゾーンでありやや高めの設定ではありますが、それに見合った品質のものを取り揃えています。
グラスワインに関しても、料理数を絞っているのも影響しているのでしょうが、しっかりお料理との相性を検討されているように感じるラインナップでした。
加えて、当店は、来店希望日の前日10時からしか受け付けていない(団体利用や特別コースは例外)というの予約スタイルです。近頃のレストランやビストロは先の予約までかなり埋まってしまっていることが多くて困ってしまうのですが、当店はふとフランス料理を食べたいと思い立った日に重宝すると思います。
ディナーはプリフィクススタイルのコースがあるので次回はそちらをいただき伺おうと思います。おすすめです。
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