BOLT(ボルト)/牛込神楽坂

ビストロ

牛込神楽坂駅から歩いてほど近いところにあるビストロ。住所で言うと、新宿区箪笥町、これで”タンスチョウ”と読みます。

一瞬グルメサイトか何かと見間違えてしまうつくりのオフィシャルHPを参照すると、「普段使いできるフレンチのお店」をコンセプトとしているそう。



確かに、カウンター席にはナイフやフォークに加えて箸が用意されていたり、カウンターには焼酎の瓶が並んでいたり、どこか小料理屋のような雰囲気すら感じました。

ビストロと呼ぶより、オトナのフレンチイザカヤと称する方が適切なのかもしれません。



本日の献立と表記されたメニューは、フランス料理をベースにしながらも、和のエッセンスを感じる食材を結構積極的に取り入れている印象を受けました。

おまかせコースもあるそうなのですが、選ぶことの楽しさを知っているオトナであればここは、ぜひアラカルトで臨みましょう。

我々はメインを含む全4品をチョイスしました。



ドリンクは、生ビールや各種焼酎が800円台からあり良心的。ワインも白赤それぞれ5種類近くほどにオレンジワインなどもグラスで取り揃え、お酒好きにはたまらないお店でしょう。

他方、ペリエ(750ml)とジンジャエールが2,500円と、すーぱーはいぱーいんふれーしょん価格。笑

言い換えると、酒を飲まない客はお断りという意味であり、お店からの強いメッセージを感じました。

直近のレビューを見ると、どうやら2,500円のソフトドリンクはメニューから外れたようですが、予約の際にお酒の注文についての確認がとられているとのこと。

こんな野暮な確認をお店にさせ、お手間をかけてしまっているなんてなんだか申し訳ない気持ち。若者を代表して謝罪します。ごめんなさい。

お酒を飲む飲まないは個人の自由でありますが、お酒を主に提供している場において「飲まない」という選択をするのはどこか嗜みに欠けているような気がします。

”オシャレは自分のため、身だしなみは周囲のため”




さて気を取り直して。

すでに近くのお店で1,2杯ひっかけていたので白ワインから頂きます。


ポルトガルのヴィーニョヴェルデ。白いお花や柑橘のアロマに、口に含むと溌剌とした酸がスターターにはもってこい。


連れはフランス・ロワールのソーヴィニヨンブラン。原産地呼称はメヌトゥー・サロン。試験勉強の際に頭には叩き込みましたが、初めて飲む。

石灰質の粘土を土壌に持つエリアであり、一口いただきましたが、先のワインと同様、柑橘や白いお花のようなアロマでピュアな味わいながらにミネラルも感じました。




前菜は焼き茄子のなめろう、カマス焼き霜

これはもう和食ですね。たっぷりの脂を蓄えたカマスの皮の表面に焼き目をつけることにより、皮の下の脂がグッと引き立ちます。焼きなすのなめろうも丁寧に皮が取り除かれており、官能的な舌触り。



お次のお料理はちりめん山椒のオムレツ。綺麗に半分に取り分けて頂けます。

想像通りの味わいですが、味変で出されるスマックスパイス(爽やかで、シソみたいな)?のマヨネーズがいいアクセント。

急遽、ハンドルを持ちかえ、焼酎のソーダ割を。

ちりめん山椒やスマックの爽快な刺激が、焼酎に大変合い、飲酒量を加速させます。



続けて鮎パテ バナナのエクラゼ

エクラゼとはフランス語で潰すという意味を指し、ピューレとは異なりあら潰しにしたようなイメージ?です。また、メロンのマリネが付随します。

いよいよフランス料理らしくなりました。鮎の独特の風味を感じながらしっかりパテと化してます。バナナもも思いのほか好印象で面白い味覚でした。


こちらにはカナダのガメイを。冷涼感をやや感じつつも赤系ベリーが綺麗に表れているといった赤ワインでした。キャンディーっぽい香りなく、白胡椒っぽい?スパイスのニュアンスもわずかに感じるエレガンスなワインだった気がします。



メインにはもち豚の頭肉と蒸し鮑、カシス風味のブレゼ(蒸し煮)です。

赤ワイン煮込みというよりかはデミグラスソースよりの少し変わった煮込み料理ですが、これはこれでかなり好き。頭肉はもちろん、思っていた以上の大ぶりの鮑が入っており思わずニンマリ笑顔。他ではなかなかお目にかからない料理でありシェフのセンスを感じました。


ワインはブルゴーニュのピノ・ノワールとボルドーの格付け第3級 シャトー・ジスクールのサードをそれぞれ1杯ずつ選びました。

このような今のんで美味しいクラシカルなワインもグラスにラインナップしているのは懐が深いですね。もちろんお料理との相性もいいです。



以上、アラカルトでお料理4品とワインや焼酎をそれぞれ4杯ずついただいてお会計は一人1.1万円ほど。これは大変素晴らしいですね。

意外性のある食材の組み合わせで、なんとなくイメージはつくものの実際に食してみたいとそそられる魅力的なお料理が多く、素人から玄人まで幅広く満足させてくれるメニューでした。

種類もほどよく、カップルであれば、ボリュームとしては5品前後が妥当でしょう。我々はもう一品くらいいただけばよかったなとやや後悔。

ドリンクについても、ビールに始まり、日本酒や焼酎、ワインまでお酒飲みにはうれしい幅広いセレクション。単体で飲んでもクオリティの高いものが良心的な価格設定であり、いろんな楽しみ方ができるなと思いました。

オトナのデートにはもってこいといったお店で、神楽坂デートでおすすめを聞かれたら真っ先に名を挙げるだろうお店です。ここを知っていたら女性から相当センスが良いと思われること間違いなし。

客層も素晴らしく店内も落ち着いていて、お料理も安定的に美味しい。それでいて少しトリッキーなメニューもあり選ぶのが楽しい。かゆいところに手が届くそんなお店、そりゃ予約も取りづらい人気店なわけだ。

 

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