IZAKAYA Vin(イザカヤ・ヴァン)/渋谷

ビストロ

 

京王井の頭線渋谷駅から徒歩1分の好立地に位置するIZAKAYA Vin(イザカヤ・ヴァン)。渋谷周辺のワインバーとしては最も歴史が深く創業52年を誇ります。店名のIZAKAYAは19世紀のパリの下級階層をテーマにした自然主義文学作品、小説エミール・ゾラの「居酒屋」から来ているそう。

店内は3階建て。1階にはカウンター席、2階、3階にテーブル席といった縦長の面白い配置ですが、間隔もかなり広めにとられておりゆったりと食事ができそう。客層は、奥渋や神泉に集うワイン好きとは対極のクラシカルなワインが好きなオトナが集っている印象。

ワイン屋につき当たり前ですが、香水をはじめとした香りの強いものの着用は控えましょう。



グラスワインの充実度が半端じゃないですね〜本当に渋谷かよと一瞬に錯覚するほど。グラスのシャンパーニュは1,600円〜、スティルは日によると思いますが1,500円〜2,500円がボリュームゾーンの他1杯4,000円前後のスペシャルなワインも豊富に取り揃えています。絶対額はややするものの、絶賛高騰中のフランスワインを中心に扱っており、それらに関する知識の深さ並びに管理の良さを考えれば妥当、というかむしろ良心的に私は感じます。

ボトルワインも1万円弱〜から生産者に拘りを感じるラインナップ。


せっかくなのでこの日はグラスワインで攻めることに。

2017年よりブルゴーニュでワイン造りを開始した斉藤政一氏のワイン。アルテス100%、別名ルーセットによるもので、花や果実の香りが主体の非常に綺麗な味わいでありました。


連れはアルザスのリースリング。ライムや白い花のアロマに、アカシアの蜂蜜を思わせる甘やかさがあり、上品ながらも凝縮感のある味わい。この後気に入っておかわりしてました。


お料理はTheビストロといった王道のメニューが中心で、興味を惹かれた鶏モモ肉のソテーを中心に構成を考えました。

まずはパテドカンパーニュ。骨太で肉肉しい仕様で私好み。


金目鯛のポワレ。レモンバターソースでいただきます。かなりしっかり目に焼かれた皮目からは想像がつかないほど身がふっくら。付け合わせの野菜達もソースをまとい、旨味たっぷり。これは白ワインが欲しくなる。


こちらにはブルゴーニュのシャルドネ。表記こそブルゴーニュですが、ほぼムルソー。熟したリンゴやアカシアを感じるふくよかな味わい。



せっかくなのでスペシャルな白をグラスで。世界でもトップクラスのソーヴィニヨンブランの名手「ディディエ・ダグノー」によるもの。これがグラスで頂けちゃうなんてワイン好きにはたまらないお店です。凝縮したグレープフルーツの果実味に、メロンっぽさやバニラのような感じも。オイリーな舌触りと厚みのある味わいで、初見でソーヴィニヨンブランと答えられる人はほぼいないでしょう。


メインは鶏モモ肉のソテー ソースペリグー。マディラ酒をベースにフランスペリゴール村の名産品である黒トリュフを大量にあしらったソースの一種。思い入れのあるソースにつき見かけた瞬間注文を決意しましたが、大当たり。


赤ワインはフランスの村名ジュブレシャンベルタンと、ヴージョの1級を半量ずつ頂きました。なんと贅沢な飲み比べなのでしょう。堅牢なスタイルの前者に比べて、気品漂う後者のスタイルも両者素晴らしく甲乙つけ難し。

以上、お料理3品にかなり高価格帯のワインをグラスでそれぞれ3杯相当ずつ飲みお会計はサ込み1人1.2万円ほど。これはアリ。今回はかなり高価なワインをいただいた結果であり、通常の飲食量であればおそらく1人1万円前後に落ち着くことでしょう。ワイン好きを連れて行くのにはもちろん、落ち着いたオトナの食事デートにもピッタリのお店でしょう。渋谷周辺で食事した後にもう少しワインが飲みたい、そんなワインバー利用もできる使い勝手のいいお店であり、知っているとかなり重宝するかと思います。

HPにも記載してありますが、訪れる前には必ず連絡を入れるようにしましょうね。

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