Eme(エメ)/武蔵小山

ビストロ

武蔵小山駅から歩いて5分ほど、道路沿いにお店の看板が立っているものの、ほぼグリーンショップといったファサードであり、初見じゃ通り過ぎてしまいそう。

お隣のグリーンショップ”TRANSHIP"をくぐり抜けた先に、お店の入り口があるという素敵なアプローチ。



店内に入ると、左側にL字っぽい大きなカウンタータイプのお席と、まばらにテーブルの席がいくつか配置されています。全体で20席強くらいだった気がしますが、席数のわりにかなり広々した空間です。

武藤恭通オーナーシェフは、フランス ブルゴーニュ地方の3つ星レストランはもちろんのこと、ニュージランドや台湾などでも修行をし、帰国後、代官山マダム・トキにてスーシェフを務められた実力派。独立までは4年間ほどしっかり準備期間を設け、満を持してこの場所にお店をオープンされました。加えて、ソムリエ資格もお持ちであり、フランスなどにも赴きワイナリー訪問や買付まで行っているそう。

 

メニューはもちろんコースのご用意もありますが、アラカルトでも注文可能。今回は3名での訪問でしたが、お店の方とご相談しボリュームは調整していただき、5品ほどチョイス。

ワインリストはフランス産のものを中心としつつも、オセアニア諸国のワインもかなり充実したラインナップで、価格も意外と良心的。絶対額はもちろんしますが、バックヴィンテージの飲み頃であろうワイン達も多数見受けられました。飲める人はぜひボトルで攻めましょう。



我々はまず、オーストラリア タスマニアの泡をボトルで。

瓶内二次発酵ものであり、泡もきれいに溶け込んでいる。青リンゴやレモンなどのフレッシュな果実に、ほんのり焼いたビスケットのような香ばしさを感じました。

シャンパーニュが高騰する中、こういったクオリティのスパークリングの存在は有り難いですね。普段ワインをあまり飲まない友人たちもこれは美味いと声を上げて喜んでいました。フランスワインが至高の時代はとうの昔に終わったのである。


1品目は葉っぱのサラダ。タスマニアマスタードドレッシング。シェフが以前、新宿のワイン&マスタードAというビストロにいらっしゃたのでマスタードに造詣が深いのかと予想し思わずこちらを注文。

美味しいマスタードを使ったシンプルなサラダで、これは想像以上でも以下でもありませんでした。



お次は、スープ・ド・ガルビュール。バスク地方の郷土料理で、野菜や豆や生ハムが一体となったものです。とても美味しく、身体に優しい系。ビオセボンとかが好きな女性にはどハマりしそうな味覚。

しかしながら、以前スープという料理で初めて感動したコムアラメゾンでいただいたガルビュールと比べてしまい、お値段があまり変わらないことを考えるとこの違いは果たしてなんだったんだろうと、野暮な思考が頭の中を駆け巡ってしまいました。

そうそうに泡のボトルを飲み干してしまったため、お次は白をボトル。



フランス シャブリのプルミエクリュ。15年以上寝かしたもの。フレッシュで若々しい柑橘のニュアンスを感じる、シャブリとは異なり、熟成によってトロリと蜜のような感じや円みを帯びた味わいが非常にいい。このようなワインが1万円以下で頂けるなんて。。。



続いてはシャルキュトリー。自家製のパテドカンパーニュはもちろん、シェフが実際に食べて感動を覚えたというシャルキュティエであるピエールオテイザ氏のサラミチョリソなども頂けます。どのシャルキュトリも三者三様で素晴らしいですが、個人的にはシェフが作った自家製パテドカンパーニュが私的 No. 1でした。




勢いづいた我々は、白ワインはまだ残っていたものの、思わず赤ワインも。ブルゴーニュ シャンボールミュジニー。当たり前ですが、めちゃんこ美味しい。一瞬、バラの花束を渡されたかのような錯覚に陥るほどの、高貴なアロマに思わず笑みがこぼれ落ちてしまいます。




羊のラビオリ。トマトベースにクミンなどのスパイスを効かせたソース。

一気にエスニック。羊肉特有の変な臭みなどはなく、また味わいも決してスパイススパイスしているわけでないので、思いのほかワインとの相性もグッド。




メインには、AXOA"豚肉と甘長とうの煮込み”を詰めたパイ包焼き。AXOA(アショア)とは、バスク語で細かく刻んだものを意味し、文字通り豚肉と甘長とうをはじめとした野菜が細かく刻まれた煮込みがパイに包み込まれています。スパイシさーも感じますが、どことなく和テイストななんだか親近感を覚える味わい。

一人丸々一個パイ包を堪能できるのでボリュームも文句なしです。



思わず、チーズも追加で頂戴してしまいました。ブリアサヴァランと温泉水?を用いたウォッシュタイプ、後1種類は失念。



加えて、デザートも頂きました。私はガトーバスク。分厚いクッキー生地でカスタードクリームをサンドして焼き上げる伝統菓子。専門店にも負けず劣らずの味わいです。




飲み足りず、甘口のワインを追加。グラスは年代物と思われるバカラかな?気高いオーラをビンビン感じる。素敵なグラスってテンション上がる。



以上、3人でボトルワイン3本とグラスワインを追加、アラカルトで料理5品とチーズ、デザートまで頂いて、お会計は一人2,2万円ほど。

おぉ、これはいいですねぇ。

今回は、ややハイレンジのワインを狙い撃ちした上に、男3名でかなり食べた結果でありカジュアルなものに留めれば、もっと安くおさまるでしょう。

飲む量にもよるかと思いますが、2人で1本シェアなら1人1万円強、1人1本ずつ飲んだとしても1人1.5万円ほどにおさまるかと思います。

フランス料理をベースにしつつも、コテコテというよりかは、少し軽やかでいろいろな国のエッセンスを感じられる。

ワインもセンスのいいラインナップで、カジュアルなものからグランヴァンまで幅広い。サーヴィスの方も物腰柔らかく、非常にリラックスした空間づくりをしてくれます。

良いものを知り始めたオトナの女性にはバッチリハマるお店。お誘いしたら、大変喜ばれることでしょう。ゆったりした空間で、品のいいお食事を頂くには最高のお店。

次回は最高位のメニューカルトブランシュをぜひ試してみたい。

 

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