日比谷OKUROJI内に店を構えるBar「MIXOLOGY HERITAGE」。ミクソロジーの第一人者である南雲主于三(しゅうぞう)氏が設立したスピリッツ＆シェアリング株式会社が母体です。
ミクソロジーとは、「Mix(混ぜる)」＋「Ology(〜論)」をつなげた言葉で自由な発想でカクテルを作る考え方のことを指すそうな。
当店は”Beyond the classic”、クラシックカクテルの新しい定義と形を目指すのがコンセプトであり、オールドボトルいわゆる古酒をブレンドしたカクテルを味わうことができます。
マスターバーテンダーを務める伊藤学氏は1989年より新宿「カクテルバー・ギブソン」(現在は閉店)に入店したのち、「BARレモンハート」にて16年間勤務。「Ne Plus Ultra」でのマスターバーテンダーなどのご経験を経て、スピリッツ＆シェアリング株式会社のクラシックカクテル部門統括権マスターバーテンダーにご就任。
店内はカウンター席が6席だったかなにテーブル席がいくつかでバーとしてはややゆったりとした設計。標準的なカクテルは1杯2,000円弱にテーブルチャージは800円ほどとエリアを考えれば妥当な価格設定。15時〜18時はハッピーアワーで1杯1,500円で嗜むことができるほか、チャージもかからないとのことです。
まずはジントニック。ジンもどうやらブレンドしたジンを用いたこだわりの1杯らしく確かに美味しい。炭酸類のカクテルってそっとかき混ぜるもんだと思っていましたが、バースプーンでグラスの底を割と激しめに突っつきながら仕上げるのは不思議でした。
お次はオールドボトルを使用した当店のシグニチャーでもあるアルティメットカクテル。全てをオールドボトルで仕上げるととんでもない金額になってしまうらしく、それらをベースとしながら現行のものとミックスすることで比較的安価で楽しめるとのこと。それでも1杯4,000円近くするのですが、先日連れて行っていただたいた江ノ島「Bar d」のオールドボトルで仕立てられたカクテルがあまりにも美味しすぎたので、この日は挑戦。私はマンハッタンをお願いしました。
うん、これは抜群に美味しいですね。時間経過による分子の融合とでも呼べばいいのかわかりませんが、現行のボトルで作るものよりも遥かに口当たりがまろやかです。アルコール度数は非常に高いのに舌先から身体全体に馴染むような、同時にそれが長い余韻へとつながっていくようなそんな感覚になる。
しかしながら当店は入口のドアが常時開いており、立地のせいもあってか電車が通り過ぎる音がときおり店内まで響いてくる。1杯1,000円台であればまだしも、4,000円近くの飲料を味わうという意味ではやや落ち着きに欠けると思いました。
以上、6,000円弱。カクテルを2杯飲んだ金額にしてはやや高いものの支払い金額に見合う体験。
オールドボトルで仕上げるカクテルってやっぱり美味しいなと感じれたものの、この日はマスターバーテンダーの伊藤氏がお休みだったらしいのもあってか、江ノ島で味わったあの感動には到底及びませんでした。日を改めてクラッシックカクテルのレジェンドである伊藤氏に仕立てていただいた一杯をぜひ堪能しに参ろうと強く誓いました。
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