a table(ア・ターブル)/末広町

ビストロ

神田明神のすぐ裏手、御茶ノ水駅から徒歩10分弱にあるビストロ。

中秋シェフは恵比寿モナリザを経て渡仏。星つきレストランでご研鑽された後帰国して独立されたそう。2021年パテクルート世界3位に輝かれた実力派。

店内は1階に厨房、2階に上がるとテーブルが5つほど。コンパクトながらも座席の間隔はしっかりあるのでリラックスできます。

この日はアラカルトで。2名で伺ったのですが、前菜2品にメイン1皿が丁度いいとのことでした。我々はメインに私の大好物であるパイ包を迷わずチョイスし、系統が寄ってしまうものの当店のスペシャリテであるパテ・アンクルートとオマールを用いたサラダをチョイス。


乾杯はグラスで、クレマン。

青リンゴのような果実味に、溌剌とした酸がジメジメした季節にぴったりでした。ただ、この量で1,500円は若干割高に感じてしまいました。


アミューズが供されます。一口サイズのキッシュとパテドカンパーニュ。

全体的な料理との相性を考え、白ワインをボトルで注文。食前酒を楽しみながら、ワインリストと睨めっこする時間が大変楽しい。これまたフランス料理の醍醐味だなーと私は思います。



柑橘系のアロマにミネラル、少しトーストしたようなニュアンスがありバランスの取れた一本でした。一瞬、ピュリニーかと思うほど、質のいいA.Cブルゴーニュでした。




1皿目はパテ・アンクルート。

おぉ、さすが断面がめちゃくちゃ美しいですね。フォアグラをはじめとしてさまざまな肉がゴロゴロと入っており、上にはコンソメジュレまでびっしり。断面を見ると、粗挽きというよりも寧ろ細かく刻まれて入っているタイプのパテで私好み。

肉肉しい味覚を外側のパイがしっかりと抱き合わせています。

加えて、あえて不均等に色々な種類の肉やナッツ類が配置されているので食べ進めるごとに異なる味わいを楽しめます。

ボリュームも十分にあり、付け合わせのキャロットラペまで全て美味しい。




お次はオマールブルーとホワイトアスパラのサラダ仕立て。

これまた先のパテ・アンクルート同様美しい盛り付け。料理とは芸術である。見た目だけでテンションが上がる。

オマールの味わいが非常に濃く素晴らしい味わい。素材の優勝ですね。

先ほどの白ワインとの相性がバッチリで、最高の組み合わせです。

一方で、上品すぎる量だったので金額を高くして構わないのでもう少しポーションが欲しいなと個人的に感じました。




大本命。小鳩とフォアグラ 黒トリュフのパイ包焼き。

おぉと思わず歓声が出てしまうほど美しい見た目をしています。



断面を見てもなお、綺麗な仕立てに見惚れてしまいます。小鳩の野生味溢れる存在感を感じつつもフォアグラの上品なコクがグッと料理全体の味覚をパワーアップしてくれます。かなり厚めにスライスされた黒トリュフの鼻抜けの香りも大変素晴らしく、トリュフを用いたペリグーソースまで抜かりなしです。

当日予約で、しかもアラカルトでここまでクオリティが高いパイ包みを食すことができるのは大変貴重なお店ですね。パイ包みはただ包むだけと思いがちですが、我々が想像する100倍、見た目以上に調理が難しい料理です。プロの料理人でもカットしてパイの中身を見るまでソワソワするという火入れの難解さ。これを完璧に行う当店のシェフはさすがパイのスペシャリスト。


別皿で提供されるマカロニグラタンはいい伏兵。ワインが大変進みました。

思わずグラスでラングドックの赤ワインを追加。

シラー主体。カシスやブラックチェリーのような凝縮した果実味に、なめらかなタンニンとほのかに感じる黒胡椒のアロマが、小鳩とや赤ワインソースの美味しさをさらに引き立ててくれます。


以上、お料理3品に、ボトル1本、泡、赤をグラスでそれぞれ1杯ずつ頂き、お会計は一人当たり2万円を切りました。いつも通りよく飲みました。質、量を考えると納得の支払い金額です。

ビストロと思って訪れると高く感じるかもしれませんが、テーブルクロスが敷かれていないだけで当店のお料理はレストランクオリティ。ビストラン的(ビストロとレストランの中間)立ち位置のお店と考えるべきでしょう。

これだけのクオリティの高いお料理がコースではなくアラカルトで選べるのは懐の深いお店だと思います。比較的予約も取りやすく、ドレスコードとかも特段ないため、精神的に気軽に訪れられるのは大変重宝します。ただし予約なしでは基本受け付けていないそう?なので気をつけましょう。

メニューを見ていると、ジビエ料理なども素晴らしそうだったので次回は、よく食べる男4人とかで、メインを片っ端から注文したいと思います。

レストランのような空間はあまり得意ではないけどフランス料理は好きという方にはピッタシハマると思います。

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